読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

まともにシェイクスピアを読んだことがないド素人から観たカクシンハン『マクベス』

1月28日、カクシンハンが演じる舞台『マクベス』を観劇!

去年10月に松たか子森山未來主演の『メトロポリス』を観たのが初めての演劇鑑賞でして、そのときはあんまりノレなかったんですけど、今回のカクシンハンの演劇はちょー面白かったので感想をメモ程度に記しておきます。

シェイクスピアの『マクベス』も読まずに挑んだし、演劇のことは何も知らない者ですのでお手柔らかに。

 

f:id:muu__chu:20170206183708j:plain

 

↑クール&金かかってそうなポスターですけど、実際は衣装はむちゃくちゃシンプルだし、舞台セットはなくて、小道具のみを使っていて、それが無数のパイプ椅子とその収納台車とお菓子と空き缶と、、というガッツリ経済的な演劇でした。

 

そのシンプルな小道具を、工夫を凝らして使うことですっごいユーモアな演出につながっていました。

パイプ椅子が城壁になり、武器になり、台車が玉座になり、お菓子も武器になる。。それが無理してるのではなくて、ちゃんとそれらしく見えるんです、すごい!

 

 

マクベス』というと、勝手に重くてハードなイメージが勝手にあったんですけど、カクシンハンさんたち、むちゃくちゃふざけてました。(良い意味で)

ちょくちょく小ネタを挟んできて、観客を笑わせようとするんです。ほぼ全裸のマッチョがケツ筋を見せつけてピクピクしてみたり。

あと、現代要素がどっぷり出て来るんです。ファミマとかサザエさんとか『君の名は。』とか。

 

そういった現代要素も半分くらいが笑いのための小ネタといった使われ方なんですけど、毎回心の端っこで「これは古典劇だよね・・・?」と思ってしまったり。

たぶんそう感じてる方も多いのではないかと。まあまあスベってたんですよね実は。

 

また、マクベス夫人がヒトラーのように片手を挙げて、急に何かの詩を叫びだす場面があるんです。何を言っているのかは聞き取れるけど、全然意味がわからないしやたらその時間が長い。

「何なんだこの時間は」と思っていたら、そのマクベス夫人の絶叫と重なって、何やら聞き覚えのあるボイス&メロディーが聞こえてきたんです。ミスチルの有名な曲が。マクベス夫人が叫んでいたのはミスチルの有名な曲の歌詞だったんです。(曲名は知らん。)

ミスチルのエモさとマクベス夫人の絶叫とで舞台はカオス状態になりながら、(本来は)感動的なその場面は終わったんですけど、ミスチルが大の苦手な私は完全に冷めきってしまって、「は~ん、そういうことするのね・・・」と糞上から目線で眺めてました。

 

でもでも、これがもしかしてブレヒトのいう「異化効果」とかいうやつなのでは??

古典劇にこれでもかと現代文化を盛り込んでシラケさせてみたり、それまで最高にクールな音楽ばかり使ってたのに、急に(ちょーダサい)ミスチルを使ってカタルシスを生もうとしたり。

どのネタも、それが出て来るたびに一旦気持ちが冷めるんですよね、冷静になるというか。

 

目の前に広がっている景色はミスチル効果でちょー感動的なはずなのに、なぜかノレない。でもその光景が一番印象に残っている。

ミスチルというとまあ当然国民的大スターじゃないですか。誰でも絶対聞いたことがあって、ミスチルというと歌詞が率直で心に訴えかけてくるみたいな需要があるじゃないですか。(知らんけど。)

でも、普段は素敵なものに聞こえる、その大スターの超泣ける超名曲の歌詞を、マクベス夫人が絶叫することによってすっごい滑稽なものに感じる。

 

「私たちが感動しているように思い込んでいるものって実質を取り出してみるとこういう感じなの?意味わかんなくない?」みたいな感覚になる。

 

これはまさか現代のポップカルチャー批判なのでは????

 

ミスチルだけではなくて、ファミマの入店の音とか、『君の名は。』の三葉ちゃんに女装したりとか、クスっと笑えるけどどこかノレないあの感覚、異化効果と呼ばずになんと呼べようか!

 

 

ということで、観終わった直後は「面白かったけど何だこの違和感は」という思いでいっぱいで、一緒に観劇した人たちとその後語り合い、上のような結論に至りました。

完全には感情移入できない、一歩踏みとどまって考えさせられる異化効果、存分に堪能しました。

なんだか「異化効果」って言いたいだけの記事になってしまったよ。